戦後日本の食料・農業・農村 第6巻 21世紀農業・農村への胎動(第8回配本)


戦後日本の食料・農業・農村編集委員会 編

 戦後日本農業の展開過程と現実を示し、その歴史的位相を踏まえた上で、今後の方向性を世界的視野にたって明らかにする。「農村社会史」の続編。本巻では、農業の国際化、新食糧法と米問題、環境問題と農業技術革新、新基本法の成立と新たな方向、国際農業協力等の問題から最も新しい時点における問題の動向を捉え、今後の展望を明らかにしている。

A5判/定価(本体価格7,000円+税)/2012 年1月刊

ISBN978-4-541-03797-8


<主要目次>

第1章 総説−戦後日本経済の発展と農業−
はじめに
 第1節 「農地改革と再版原蓄」−1945〜1955年−
 第2節 高度成長・基本法農政期−1955〜1970年−
  1 もはや戦後ではない
  2 基本法農政
  3 農地法改正
 第3節 貿易摩擦激化・生産調整期−1970〜86年−
  1 生産調整問題の登場
  2 貿易摩擦問題の登場
 第4節 グローバル化時代の農業と農政(T)−1986〜1999年−
  1 「前川レポート」とウルグアイ・ラウンド
  2 価格政策・構造政策理念の転換
  3 農業合意受け入れ関連施策と食管法改正
 第5節 グローバル化時代の農業・農政(U)−1999年〜−
  1 新自由主義・市場原理主義的農政の展開
  2 日本農業の現況
 第6節 むすび
  1 民主党農政への期待
  2 急浮上したTPP問題

第2章 国際化の潮流と日本農業・農政
−WTO体制下における先進国農政の動向
 第1節 世界農業の潮流
  1 はじめに
  2 世界農業の現状認識
  3 ウルグアイ・ラウンド(UR)農業合意への道
   4 ウルグアイ・ラウンド(UR)農業合意以降における先進国農政の動向
 第2節 国際化と日本農業
  1 日本農業の国際環境と農政の選択

第3章 食糧法の時代と米政策の転換
 第1節 食管法から食糧法へ
  1 はじめに
  2 「戦後農政最大の規制改革」
  3 度重なる手直し
 第2節 戦後体制からの全面的脱却
  1 「米づくりのあるべき姿」を求めて
  2 食糧法改正と米政策改革大綱
  3 「戦後農政の大転換」とその結末
 第3節 政権交代と米
  1 民主党の農政方針
  2 米から先行着手した戸別所得補償
  3 残された問題

第4章 農業技術の時代的課題と展開方向
    −自然離脱の近代農業から自然共生型農業への転換
 第1節 農業技術展開の時代的課題をめぐって――予備的考察
  1 時代的転換の状況と課題
  2 メドウズ『成長の限界』の概要
  3 メドウズ『成長の限界』に欠けていること
  4 エコロジカル・フットプリントをめぐって
  5 IPPC評価報告書に関して
  6 生物多様性の危機と保全
 第2節 現代社会における農業の位置と「農業近代化」の意味
  1 メドウズ『成長の限界』における農業の姿
  2 農業近代化が意図したこと
  3 農業社会から産業社会への移行に関するマルクスの認識
 第3節 農業技術論の基本的構成――技術論から農法論へ
  1 農耕の土地と非農耕の土地
  2 農業技術の三つの主体的契機――@土地
  3 農業技術の三つの主体的契機――A作物・家畜
  4 農業技術の三つの主体的契機――B労働
  5 農業技術から農法へ
 第4節 農業・農村環境政策構築への枠組み
  1 自然共生型農業の展開と二次的自然の回復
  2 農業・農村環境制作の枠組み
 第5節 新時代における農業と農業技術の展開方向
  1 展望論議の時代的焦点
  2 新しい時代における農業のあり方論
  3 自然共生型農業としての有機農業
  4 有機農業技術の骨格――低投入・内部循環・自然共生の技術形成
  5 有機農業技術展開の基本原則
  6 有機農業の展開方向
 第6節 自然共生を志向する新しい農業展開への期待を込めて

第5章 食料・農業・農村基本法の成立と展開
 第1節 はじめに
 第2節 1961年農業基本法の評価と新たな視点
  1 新農業基本法への視点
 第3節 食料・農業・農村基本問題調査会における議論の展開
  1 自給率問題
  2 農業の担い手問題
  3 農村の活力低下と農業の多面的機能
 第4節 食料・農業・農村基本法の成立
  1 新しい基本法の理念と特徴
  2 新基本法に対する各界の反応
 第5節 食料・農業・農村基本法の策定
  1 はじめに
  2 食料・農業・農村基本計画策定の経過
  3 食料・農業・農村基本計画の構成と内容
  4 「基本計画」推進の施策の概要
  5 「基本計画」に関連する諸事項
  6 むすび
 第6節 新基本法の主要論点についての現実と展望
  1 世界農業の動向と日本の食料自給率問題
  2 農業の多面的機能問題と中山間地域直接支払い政策
  3 農業経営政策と担い手問題の経緯と展望
  4 貿易問題−場所性の復権
  5 その他の諸問題−農地法改正と株式会社の農業参入
  6 むすび

第6章 国際農林業協力の歴史的経緯と方向
 第1節 はじめに
 第2節 協力理念の変遷とわが国の協力姿勢
  1 協力理念と開発概念の変化
  2 わが国の協力の姿勢
 第3節 農林業協力の展開
  1 実施形態の変化
  2 協力対象の多様化
 第4節 農林業協力の課題と展開方向
  1 協力の課題
  2 農業協力の方向と重点

   

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