経済構造転換期の共生農業システム −労働市場・農地問題の諸相−(共生農業システム叢書 第2巻)


東京農工大学教授 矢口芳生編集代表、茨城大学農学部助教授 安藤光義・農村開発企画委員会 友田滋夫著
 

「競争社会から共生社会へ」これが成熟社会のキーコンセプトであり、21世紀の課題である。2巻では戦後日本資本主義の強蓄積メカニズムに組み込まれた農業・農村の資源−労働力・農地が、冷戦終了後の大競争のなかで枯渇し、空洞化する過程を跡付ける。

A5判/234頁/定価(本体価格2,800円+税)/2006年9月刊

ISBN4-541-03373-9


<主要目次>

序章 本書の課題
第1部 農村労働力基盤の枯渇と就業形態の多様化
第1章 農村からの低賃金労働力の吸引とその枯渇
1 1961〜70年初頭−都市製造業の労働力基盤となった農村
2 70年代初頭〜80年−都市への労働力移動の限界と新たな労働力基盤の形成
3 1980年代 円高不況とその克服−農家労働力基盤の掘り崩し
第2章 1990年代以降新たな低賃金基盤の創出と企業の海外進出
1 国内労働力基盤の長期的な弱体化
2 国際面における新たな労働力基盤の創出
3 国内における労働力基盤の再編
第3章 非正規雇用の新たな可能性と現実
1 非正規雇用の拡大がはらむ可能性
2 非正規雇用拡大の現実
3 多様な働き方と農村の可能性
第2部 農地問題の枠組みの変化と農地制度改革
第4章 近年における農地転用の性格の変化−空洞化する農地所有
1 土地問題の枠組みの変化−3つの土地問題という枠組みの変容
2 増大する「実需」なき農地転用−「その他業務用地」がトップに
3 低落傾向にある農地価格と小作料−空洞化する農地所有
4 A県における農地転用の実際
5 おわりに
第5章 耕作放棄問題の枠組みとその対策
1 耕作放棄地問題の枠組み−不在地主問題との関連
2 不在地主が農地利用に与える影響とその対策−市町村アンケート調査結果
3 現地事例にみる不在地主・耕作放棄地対策の実際
第6章 農地制度改正の意義と限界
1 農地保有合理化法人の仲介機能強化について
2 遊休農地対策・不在地主対策について
3 地域住民参加による土地利用調整について
4 新たな担い手の導入について
終章 農地保全のための政策体系の構築に向けて
1 集落営農政策の理念と現実
2 構造政策から地域政策への換骨奪胎
3 地域政策としての農地保全へ
あとがき
索引

   

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